携帯電話会社、群馬県警察を装った オレオレ詐欺被害が発生しました。
本件では実在する法人が運営する暗号資産取引アプリをスマートフォンにインストールさせるというオレオレ詐欺とSNS型投資詐欺の合体複合型のだましが使われています。
こうした被害発生時に必ずお伝えしていますが、もう一度言います。
警察が、事情聴取や説明のためにLINE等のトークアプリでやり取りをすることは絶対にありません!!
また、「あなた名義の携帯電話が不正に契約され・・・犯罪の容疑がかかっています」「その容疑を晴らすためには、あなたの資産(現金)を確認する必要があります」という方便は、よく考えてみると荒唐無稽な内容です。
そして、特定の犯罪被害に係る金品を手元の現金の記番号と照合して確認するなどという行為は警察捜査では不必要です。
こうした誰でも理解できる常識でさえも、いざ「あなたが犯人かも」と言われると、冷静な判断力が奪われ、とても慌ててしまい的確な対処ができなくなってしまうところに、特殊詐欺被害の本質があるのです。
不審な連絡は、必ず電話を一旦切って、ご家族やお近くの警察までご相談ください。
犯人は、そうした時間を作らせないよう、あの手この手の嘘をついてきます。
十分ご注意をお願いします。
《被害の状況》
令和7年10月8日午後2時頃、武蔵野市吉祥寺北町の自宅固定電話に、「NTT ドコモカスタマーセンターの○○」を名乗る男から「先月分の電話料金の未納分が十数万円あります」などの内容の電話着信があった。被害者は、既に今年初頭に携帯電話の通信キャリアを別会社に変更していたことから「間違いだと思います」と答えたが、電話の男は被害者の氏名、生年月日等を正確に告知してきたことから、未納分の料金が本当にあるかもしれないと信じてしまった。○○は、さらに「群馬県のドコモショップであなた名義の携帯電話が契約されていて、その未納料金が19万円になっています。警察でも捜査しているので、警察に電話を回します」などと話した。
すると、群馬県警察サイバー犯罪対策室の△△を名乗る男が電話に出て、「あなた名義の携帯電話が関係した事件で既に四人が逮捕されていて、あなたにも容疑がかかっています」「これは内密な情報なので、これから LINE で連絡しますから、あなたの LINE アカウントにメッセージを送るので友だち登録してください」などと言われた。
そこで、被害者は、自分の見知らぬ所で何らかの事件に巻き込まれてしまったものと誤信して、男の言うままに LINE でやり取りを開始したところ、男は「あなたの無実を証明するため、あなたが持っている紙幣をチェックしなければなりません。あなたの資産を教えてください」と告げてきたため、被害者が所有している証券会社に預けていた数百万円分の社債があると伝えると、その社債を一旦現金化をしてチェック(確認)することとなった。
翌日証券会社に連絡を入れ、当該社債の現金化を依頼すると5日後にはそれが可能と判明し、それまでの間は、群馬県警察の△△と一日に二回連絡が入る段取りとした。
社債が現金化される予定日までの期間で、△△からコインチェックなる暗号資産のアプリアカウントを作成するように言われたため、被害者は男の言うとおりに、コインチェック株式会社が運営する暗号資産取引アプリをスマートフォンにインストールした上、現金化の手続きを待っていた。
約束どおりに5日後に証券会社から社債を現金化した数百万円が、被害者の個人口座へと振込入金されたことから、被害者は、コインチェックアプリに表示されていた振込先口座に、数日間に渡り都市銀行ATM機から振込送金をした。
群馬県警察を装う△△からは、「確認完了は10日後くらいになります。10日後の午前10時半に、あなたの紙幣が事件と関係ないことが判明したならば全額を戻します」「これまでのやり取りの情報が外部に漏れるとまずいのでLINEは削除します」などと言われ、その日のうちに相手のLINEアカウントは削除されてしまった。
しかし、男が言った期日を過ぎても振込相当金額の返金はなく、また男からの連絡もなかったことから、詐欺被害に遭ったことが判明したもの。
【問合せ先】武蔵野警察署
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